口腔外科
口腔外科では、親知らず抜歯、口内炎、できもの、顎関節症、歯の外傷、歯の移植などの治療を取り扱います。
親知らず抜歯
親知らずの生え方によってはCT撮影が保険適用になります
親知らずは、前から数えて8番目の歯で、18歳前後くらいから生えてくる奥歯です。他の歯とは違ってまっすぐ生えてこないことが多く、歯ブラシも届きにくいため、痛みや腫れのトラブルをしばしば起こします。
ですが、親知らずがもともと備わっていない人もいますし、骨に埋まったまま一生出てこないこともあります。また、まっすぐ生えて問題の起こらないケースもあります。このような場合にはもちろん抜く必要はありません。
- 大きな虫歯ができている
- 斜めに傾いて生えている、もしくは横に倒れている
- 何度も腫れを繰り返す
- 手前の歯を押して歯並びを乱す原因になっている
- 顎関節症を引き起こしている
- 向かいの歯茎を噛んでいたり、粘膜を傷つけている
- 周囲に嚢胞ができている
親知らずの抜歯は、生え方などの条件によってはCT撮影を保険で行うことができます。CTを撮ることで、親知らずの埋まり方が立体的にわかるため、より安全に抜歯を行うことができます。
口内炎・粘膜のトラブル
長引く口内炎には注意しましょう
口内炎は、睡眠不足や疲れ、体調不良からくる免疫力低下、ストレス、お口の不衛生、ビタミン不足などを原因とするもの、金属アレルギーや食べ物のアレルギーなどによるもの、虫歯などで尖った歯やかけた歯による物理的な刺激によるもの、カビやウイルスなどによるものなど、原因は様々です。
通常、一度口内炎ができても大抵は2週間くらいで治ります。もしそれ以上たっても口内炎が治らない場合には、口内炎ではない重大な病気が隠れている可能性もありますので、一度歯科を受診しましょう。
口内炎の治療
顎関節症(がくかんせつしょう)
ひどくなる前の治療が大切です
顎関節症というのは、顎の関節とその周囲の筋肉に不調をきたすもので、あごの痛み、あごの雑音、口が開きづらい、というのが主な症状です。
2人に1人は人生で一度は顎関節症を起こすと言われているほど、ありふれたものではありますが、自然に治るケースもあります。
ですが、なかなか症状が改善しない場合や、悪化してきているような場合には早めの治療が必要です。まずは一度ご相談ください。
- 歯ぎしり、食いしばり
- ストレス
- 悪い歯並びやかみ合わせ
- 外傷
顎関節症の治療法
顎関節症の治療として歯科で一般的に行われるのは、スプリント治療というもので、眠っている間にマウスピースを装着する方法です。これを装着することで、歯ぎしりによる顎への負担が軽減されます。
顎関節症の原因がかみ合わせから来ている場合には、かみ合わせの調整を行うこともあります。
顎関節症の痛みが強い場合には、鎮痛剤などを投与することもあります。
顎関節症を悪化させないための、日常生活における注意点やアドバイスを行います。
歯の外傷
早急な対処が肝心です
歯をぶつけて歯が折れた、抜けた、唇が傷ついた、というような場合の対処を行います。外傷を負った場合には、できるだけ早めの対処が肝心ですので、すぐにご連絡をください。
- 欠けた破片もできれば持ってきてください。
- 歯が丸ごと抜けた場合には、歯根部を触らずに流水でサッと汚れを落とし、生理食塩水か牛乳に浸した状態で持ってきてください。
歯の移植
歯を失った場所に親知らずを移植する方法
歯を失った場合の治療法として、一般的に行われているのは、ブリッジ、入れ歯、インプラントですが、歯の移植という選択肢もあります。
これは、歯を失った場所に、ご自分の親知らずや、機能していない歯を抜いて移植するというものです。使っていないご自分の歯を有効活用できる大変画期的な方法です。
- ケースによっては保険が適用される
- ご自分の歯を使うので自然な噛み心地が得られる
- 見た目が自然
- アレルギーなどのような体への害がない
- 他の歯を削る必要性などがなく、周囲の歯に負担がかからない
- 使っていない歯を有効活用できる
- 親知らずがきれいに抜けないケースでは行えない
- 成功しない場合もある
歯の移植は、もともと使っていない歯を使いますので、インプラントなどの治療を行う前に、一度試してみる価値はあると言えるでしょう。お口の状態などの条件により、どのくらい持つかというのは大きく変わってきますが、一般的には持って10年くらい、などと言われます。ですがもちろんこれ以上持つケースもありますので、一つの治療法の選択肢として考えてみるのもいいかもしれません。